マーケットメイカー

マーケットメイカー

マーケットメイカーとは、株や為替、債券などの金融商品の「売り気配」と「買い気配」を提示して、相対取引を成立させる役割を持っている金融機関(株なら証券会社、為替なら銀行)のことを指します。例えば、通常の株の売買であれば、ある株の「売り注文」を出した投資家と、その株の「買い注文」を出した投資家との間で取引が行われることになります。しかし、このマーケットメイカーが存在する場合、マーケットメイカーが提示する条件で投資家は「売り」や「買い」を行うことになり、取引はマーケットメイカーと投資家が行うことになります。

最も一般的な取引方法はオークション方式

金融商品の最も一般的な取引方法は、オークション方式と言われる方式です。このオークション方式とは、通常の株の売買のように、「買い注文」を出した投資家と、「売り注文」を出した投資家の間を証券会社が取り持って、注文を成立させる方式となります。この取引方法の場合、金融商品の価格が需要と供給を即座に反映した値となるというメリットがあります。しかし、投資家の「買い注文」と「売り注文」の両方の注文が存在しなければ、売買が成立しないため、十分な取引量がない場合には、投資家が「買いたくても買えない」という状態や「売りたくても売れない」という状態に陥る可能性がある、というデメリットもあります。

オークション方式のデメリットを補うのがマーケットメイク方式

こうしたデメリットを解消するために用いられる取引方法が、マーケットメイカーが投資家と直接取引を行うマーケットメイク方式と言われる取引方法です。マーケットメイク方式では、マーケットメイカーとなっている金融機関が投資家に対して売買に応じる価格と株数を提示しています。そのため、投資家は他の投資家が「売り注文」や「買い注文」を出しているかどうかにかかわらず、マーケットメイカーが提示する条件であれば、取引を成立させることができます。このように、流動性の少ない商品であっても、常に取引機会を提供するためにマーケットメイク方式がしばしば金融商品の取引方法として用いられています。

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